歩さんからのプレゼントは、洒落た箱に入った、これまたお洒落なネックレスだった。流石モデルさん!って感心して、読めない英字のブランド名が書かれたケースの中から赤みがかったゴールドのネックレスを取り出して朝日に翳すと、日の光を受けて、ペンダントトップのリングの黒い縁に乗せられた小さな宝石がキラキラと輝いていた。
「最初はハタチの記念に指輪、って考えて……でも重たいかなって、」
「えー?なんでですか?歩さんがくれたものなら、なんでも身につけます!」
「ほら絶対、おまえはそうだろうなって。指輪なんかしてったら、色々言われそうだから」
だからチェーンも買ってしまった。そう言って可笑しそうにクスクス笑う、歩さんはベッドから重たそうに身体を起こして、金具を外すのに手間取っていた俺の手の中のネックレスを奪い取って、器用に金具を外すと、自然な動作で俺の首元に装着してしまう。事後の今は何も身につけていないけれど、胸元にキラキラ輝く、オレンジゴールド。「やっぱり、オレンジ似合うな」って満足そうに歩さんが笑うから、その笑顔を見つめていると、きゅうんと締め付けられるように、胸の奥が痛い。
「ネックレス、貰って俺も嬉しかったから、真似してしまった……」
「歩さん……」
「指輪は気が向いたら付けてくれ。サイズも適当に選んでしまったから」
「せっかくなんだから、そっちでも使いますって」
歩さんはベッドにごろごろしながら、細い指先で俺の胸元で輝くネックレスのペンダントトップを弄って、楽しそうにしていた。歩さんの中指にぴったりの指輪は、俺の薬指にもぴったりで、でも左手だとそれこそみんなにあらぬ追求をされてしまいそうだから、大人しく右手の薬指にはめてみる。「見て見て」ってする俺に、歩さんは「よく似合ってる」っていっぱい褒めてくれるから、俺まで嬉しくなって、このまま外に出掛けてしまいたい、そんな楽しい気分になる。ベッドに舞い戻って、歩さんの細い身体をぎゅっと抱きしめて、耳元で囁くと歩さんがくすぐったそうに笑う。
「お散歩したいです、ううん、お出掛け!お出掛けしましょう!」
「…………いいのか?」
いいのか?というのは、多分、俺のために誕生会の準備をしてくれている、VAZZYの皆さんの事を考えてのセリフで、でもそれも、本番は夜だから大丈夫だと思う。それよりも今は、歩さんとの時間を大切にしたい。だって今日は日曜日で、お天気も良くて、11月なのに暖かくて、こんな日に揃ってオフな事も珍しいのだから。

コメントを残す