HAPPY HAPPY BIRTHDAY‼︎【2020誕生日SSまとめ】 - 2/12

夜空に浮かぶ星々の、きっとどれよりも美しい。
そんな輝きを見つけて、俺は目を丸くしていた。

それは、VAZZYのみんなが集まって用意してくれた、誕生会もお開きになった夜も遅い時間だった。まだ後片付けも残っていたけれど、「主役にそんな事させられません」「さぁさぁ部屋に戻ってください」って、追いやられる形で、共有ルームを後にしたのだった。思えば、その時の直助と二葉の顔がどことなくニヤニヤしていた様に思えるし、普段は絶対に自分から動かないあの一紗が率先して片付けをしていたのだから、どうも様子がおかしいと、その時点で悟るべきだったのだ。
飲み残しのワインを貰ってきた、「明日食べてくださいね」って、二葉に、タッパー入りのバースデーケーキも持たされていた。それから両手にプレゼントも抱えている。やっとの事で自室の鍵を開けて中に入ると、暗いはずの室内にはぼんやりと間接照明の明かりが灯っていて、リビングの真ん中、ソファの上に人影を見つけた。見覚えのあるその後ろ姿は、元々この部屋の鍵を渡していたのだからこの場にいてもなんらおかしくは無いのだけれど、それでもこのタイミングで部屋を訪れるのが意外で、思わず、その名前を呼んで声をかけた。
「翔?」
「孝明、おかえり」
翔は、俺を見上げてふふふとご機嫌そうに笑っていた。
リビングに面した大きな窓に映った自分を見つけて、カーテンを閉め忘れていた事に気づく。今日は良く晴れた星空だった、窓枠を、まるで絵画の額縁みたいにして、その美しい星空はキラキラ輝いていた。その中で一等光る、ダイヤモンドを見つけて、俺は言葉を失いそうになる。
会えないと、思っていたのだ。今日は仕事で遅くなりそうだと聞いていた。だから、日にちをずらしてお祝いしようねと約束していた。俺は、VAZZYみんなでのパーティーがあったし、大好きなみんなに祝われて、最高の誕生日を過ごしていたのだ。プレゼントもいっぱい貰ってきた。今日一日が、幸せなままで終わるのだと、そう思って、部屋に帰って来てみれば、これだ。
「なんで」
なんで?ここにいるの?そんな風に問いかけた俺にはふふ、と一つ可笑しそうに笑って、翔は自分の手首に結んだ紫色の細いリボンを俺に差し出す。
「誕生日プレゼントです、……なんちゃって」
ぶきっちょさんが、自分で結んだとは到底思えないような綺麗な結び目のそれを見て、それから、VAZZYの共有ルームでのみんなのそわそわした態度を思い出して、思わず頭を抱えたのだった。
「…………俺へのプレゼント?」
「そうだよ?VAZZYのみんなと、それと僕からの、プレゼント」
「そういう、さぁ……」
もう、それ以上は言葉にならなくて、俺は黙って、腕の中に翔を閉じ込めた。
会いたいな、と、思っていたのだ。けれど、我がままを言うようなキャラじゃないと、自分で自分を押し込めていた。27歳、だなんて、もう立派な大人と言える年齢だったけれど、今の俺はまったく落ち着いて無かったし、正直言って、翔が来てくれて泣きそうなくらい嬉しかったし、こうやって余計な気を回してくれる、ユニットのメンバーの事が好きで好きで堪らなかった。
それから、仕事終わりにこうやって顔を出してくれた、翔の事も。
「翔、大好き」
「…………っと、めずらしい、」
「言いたくなった。……翔、好き、大好き。最高の、プレゼントだと思う、」
ぎゅっと抱きしめた腕の中で、今度は翔が目を丸くする番だった。
大人気ない、ガキで結構。ケーキも、ワインも、沢山のプレゼントも、どれが一番大切かなんて、選べそうにない。27歳になった俺は、両手いっぱいの宝物を抱えながら、そんな事を思うのだった。

 

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